SYONテクニカル

 Solaris xVMXen)環境へのWindows Vistaのインストール

サイオンコミュニケーションズ株式会社
大城 智史
 
1.      はじめに
OpenSolarisのdistributionの1つであるSolaris Express Community Editionには仮想化環境Xenが搭載されています。今回Solaris内のXenでWindows Vistaを動かしてみましたので、その手順を示します。
 
2.      環境
Windows VistaをXen内で動作させるためには、XenのHVM domainが必要となります。HVM domainはシステムのCPUとBIOSの両方が仮想化支援機能に対応していなければ動作させることができません。仮想化支援機能はINTELのCPUであれば、
「Intel VT」、AMDのCPUであれば「AMD-V」と呼ばれます。今回、私が検証に使用したシステムは次の構成で、「AMD-V」対応のシステムです。仮想化環境で動作させるGuest OSに商用のWindows Vista Businessを使用していますが、ライセンスをお持ちでない場合は、他のOSでもGuest OSのインストールの手順までは同じように進められると思われます。
CPU
AMD Athlon X2 BE-2400
メモリ
DDR2 4GByte
マザーボード(ベアボーン)
ASUS V3-M2A690G
OS
Solaris Express Community Edition 85b
Guest OS
Windows Vista Business
 
3.     Solaris Express Community Editionの入手とインストール
Solaris Express Community Editionはダウンロードサイト
http://www.opensolaris.org/os/downloads/
から入手します。ダウンロードにはユーザ登録が必要となります。
 
DVDからブート後すぐにメニューが表示されます。メニューの「Solaris Express」を選択しでインストールをすすめます。後は各自の環境に合わせてインストーラに答えていきますが、インストール時に選択するソフトウェアグループについては「全体ディストリビューション デフォルトパッケージ」を選択します。
 
4.      Solaris10の設定、XenへWindows Vistaインストール
インストール完了後は、ブートローダのGRUBが起動し、次のようなブートメニューが表示されます。メニューから「Solaris xVM」を選択して起動します。
Solaris Express Community Edition snv_85 X86
Solaris xVM
Solaris failsafe
 
これで無事Solarisが起動すればXenが使用できる状態です。Windows VistaをGUIにてインストールにするのでrootでGUIログインします。
端末を開き次のコマンドでDomain-0が起動していることが確認できます。
# xm list
Name                                        ID   Mem VCPUs      State   Time(s
Domain-0                                     0    2777     2       r—–   5404.0
 
今回はGRUBブートメニューから選択して「Solaris xVM」環境を起動しましたが、こ
れをデフォルトにするために、/boot/grub/menu.lstを編集します。編集後はSolarisを再起動しても自動で「Solaris xVM」で起動します。
# vi /boot/grub/menu.lst
 
#default 0 (default0の行をdefault 1 に変更)
default 1

Windows Vista
のインストール作業はVNC上で行うため、 パスワードとアクセス制限を設定します。
# svccfg -s xend setprop config/vncpasswd = astring: \"hoge\"
# svccfg -s xend setprop config/vnc-listen = astring: \"0.0.0.0\"
# svcadm restart xend

次の内容で仮想マシンの設定ファイル/var/xen/vista.hvmを作成します。ファイル内で定義しているディスクイメージ等は後の手順で作成します。
# vi /var/xen/vista.hvm
name = "vista"
memory = 1028
disk = [ ‘file:/var/xen/vista.img,hda:disk,w’,
         ‘file:/var/xen/vista.iso,hdc:cdrom,r’ ]
builder=’hvm’
kernel = "/usr/lib/xen/boot/hvmloader"
device_model = ‘/usr/lib/xen/bin/qemu-dm’
vif = [ ‘type=ioemu’ ]
boot=’d’
sdl=1
monitor=1
vnc=1
 
ディスクイメージのための空ファイルを作成します。20GByteのファイルが作成されます。
# mkfile 20g /var/xen/vista.img

Windows Vista
のインストールDVDのisoイメージを/var/xen/vista.isoに配置しこれまで作成したファイルが配置されているか確認します。
# cd /var/xen/
# ls
dump        vista.iso   vista.hvm vista.img
 
次のコマンドで仮想マシンを作成します。
# xm create /var/xen/vista.hvm
 
仮想マシンでDVDイメージからのブートがすぐに始まっていますので、次のコマンドでVNCを用いて接続します。
# vncviewer 0: &
 
先ほど設定したVNCのパスワードを入力すると接続できます。次の画面のようにWindows Vistaのインストール画面が表示されれば正常に起動しています。
Windows Vistaのインストール画面
あとはVistaのインストーラに従ってVistaのインストールをすすめます。インストーラがリブートするとVNCの接続も切れますので再度vncviewerコマンドで接続しインストールを進めます。
 
 
5.      動作確認
インストール後の起動画面は次のようになります。
Windows Vista 起動後の画面
Windows Vistaが正常に動作することを確認したら、Windows Vistaをシャットダウンさせ、Solaris上の端末から次のコマンドを実行します。これでWindows Vistaをインストールしたドメインの情報が保存され、xm コマンドで操作できるようになります。
# xm new /var/xen/vista.hvm
  
再度、このドメインを起動するには下記コマンドを使用します。

# xm start vista
 
Windowsのリモートデスクトップ経由で使用した感じは特に違和感はありませんでしたが、気づいた問題点としてWindows Vista上で大容量の圧縮ファイルを展開したときに、OS(Solaris側)に負荷がかり、応答しなくなることがありました。便利ではあると思うので、安定して製品版のSolarisにもXenが搭載されることを期待しています。

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